はじめに - 北の大地で学ぶスクラム
スクラムフェスニセコ2024に参加してきました。アジャイルの真髄を学び、実践に活かすための知識を深めることができました。本記事では、イベントのハイライトと共に、得られた学びや気づきを共有します。特に印象に残ったセッションやスピーカーについて詳しくお伝えします。
ちなみに開催場所はヒルトンニセコビレッジでした。 北海道に住んでいながら初めて泊まるので高級感にびっくりしてます。
朝起きて窓から外を見るとなんとも綺麗な山と雲海で心が洗われました。
永瀬美穂氏のKeynote - コミットメントについて考えてみよう
https://speakerdeck.com/miholovesq/commitment-vs-harrisonism
スコープではなくユーザー体験を重視
永瀬美穂さんのキーノートスピーチでは、スクラムが「スコープの達成」ではなく、「ユーザー体験の繰り返し」を重視するという点が強調されました。特に、イテレーティブとインクリメンタルの違いについての議論が興味深かったです。永瀬さんは、ソフトウェア開発においては両者の違いはあまり大きくないと指摘しました。
コミットメントの再定義
また、「コミットメント」とは何かについても深掘りがありました。日本語での「約束」とは異なり、自分の行動に対する強い意志表明の意味で使われるべきだと永瀬さんは述べました。他人の行動に対するコミットメントは不可能であり、自分の行動や結果に対してのみコミットできるという考え方が印象に残りました。
アジャイルにおけるエンゲージメントの重要性
永瀬さんは、チームのエンゲージメントが低いと感じる時、実際には自分自身のエンゲージメントが低い場合が多いと指摘しました。この点を改善するために、ギャラップの12の質問を用いた1on1の実施が推奨されました。エンゲージメントを高めることで、他人のコミットメントに対する関心が減少し、より良いチームパフォーマンスが期待できると感じました。
Open Space Technology (OST) - 参加者駆動型のカンファレンスの魅力
参加者全員が主役
OSTセッションは、参加者全員がアジェンダを作成し、主体的に議論を進める形式です。ここでは、参加者一人ひとりが適任者であり、何が起ころうとそれが最善の結果であるという4つの原則が強調されました。また、セッション中に学びや貢献がないと感じた場合には、自由に移動することが推奨されました。
役割とルール
OSTにはホスト、参加者、ハチ、蝶といった役割があり、それぞれが異なる形でセッションに貢献します。一方で、セッション中に他の場所を気にする「キリン」はNGとされています。このような明確なルールがあることで、参加者全員が積極的に関与しやすい環境が整えられていました。
スポンサーセッション
KDDI - スクラム開発の実際
KDDIのセッションでは、社内でのスクラム開発の実践について紹介がありました。具体的な事例を通じて、スクラムの効果や課題について学ぶことができました。
WingArk - 生成AIのデモ
WingArkのセッションでは、生成AIを活用したデモアプリケーションが披露されました。挙手した人数をカウントする機能など、実際の業務に応用できそうな技術が紹介され、非常に興味深かったです。
クラスメソッド - アジャイル研修と受託開発
クラスメソッドのセッションでは、アジャイル研修や受託開発におけるアジャイルの取り組みについての紹介がありました。特に、社内スクラムマスター支援のための「スクラムマスター向上委員会」の取り組みが印象的でした。部署や拠点が異なるスクラムマスター同士が非同期で情報交換できる仕組みは、他社でも参考にできると感じました。
神崎 善司氏のKeynote - RDRAとLMMの活用
RDRAとLMMの活用
神崎善司氏のKeynoteセッションでは、RDRAとLMMの活用について紹介されました。これにより、無駄な議論を避け、効率的に意思決定を行う方法について学ぶことができました。また、システム開発における価値の見極め方についても深く掘り下げられました。
システム開発の本質を見極める
神崎氏は、システム開発の本質が「人」にあることを強調しました。多くの要求の中から本当に必要なものを見極め、捨てる勇気を持つことが重要だと感じました。
Open Space Technology (OST) - Day2
初めてのLEGOスクラム
スクラムを学ぶ方法の一つにレゴブロックを使った学び方があることを初めて知りました。 時間が限られていることもあり、できることには制限がありましたが、他人が作った作品に対して何かしらの質問を考えて問うてみるということが個人的にも気づきになりました。
まとめ - 新たな気づきと実践への意欲
スクラムフェスニセコ2024は、多くの学びと気づきを得る貴重な機会でした。特に、スクラムの本質やコミットメントの考え方、新しい技術や手法についての理解が深まりました。これからのプロジェクトにおいて、これらの知識をどのように活かしていくかを考えると共に、今後もアジャイルについてのキャッチアップは続けていきたいと思います。
以上がスクラムフェスニセコ2024の参加レポートです。アジャイルに興味のある方や、実際にスクラムを実践している方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。