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「なぜ作るのか」を整理できるエンジニアへ。バイトルでプロダクト思考とチーム開発を学んだ2週間

「なぜ作るのか」を整理できるエンジニアへ。バイトルでプロダクト思考とチーム開発を学んだ2週間

# 実践# インターンシップ
インターンシップ
2026/08/28公開2026/08/28更新

1. はじめに

はじめまして、愛知工業大学情報科学科3回生の石丸凜弥です。

私は「ソリューション開発本部プロダクト開発統括部プロダクトソリューション部メディアWeb開発課」にて、求人情報サイト「バイトル」のWebフロントエンド開発に携わりました。インターン生3人のチームで「企業別求人一覧」機能の開発を担当し、その中でも私は主に「会社情報コンポーネントの共通化・実装」および「検索結果0件時の表示制御」を行いました。

この記事では、2週間のチーム開発を通して、与えられた仕様を実装するだけでなく、「プロダクトの目的(Why)を理解し、主体的に改善を提案する」という意識を持つようになった過程と学びを紹介します。

2. インターンで設定した目標と理想像

インターンに参加するにあたり、私は過去のハッカソン等での原体験をもとに、以下の目標と理想像を設定しました。

  • 理想のエンジニア像:チームに疑問や迷いが出たときに、理由や狙いをパッと分かりやすく整理して伝え、意図をしっかり浸透させられている状態
  • 目標:自分が作る機能が「誰のためになって、なぜ実装するのか」を常に考えながら進めること

過去にハッカソン等へ参加・運営した際、大中小の目標や理由(Why)、方法(How)を明確に定義したことでチームの議論や行動がスムーズになった経験がありました。実務でも曖昧なまま進めず、「なぜこの機能を実装するのか」という意図を自ら納得し、チームへ共有できる状態を目指しました。

3. 取り組んだこと

3-1. 会社情報の共通コンポーネント化と「Why」への最初の気づき

前半の1週間は、開発環境の構築やプロジェクトの全体像を理解することから始まりました。要件定義の段階では手戻りを防ぐため、デザイナーへ直接相談してイメージを合わせることを意識しました。

チームで「企業別求人一覧」を開発するにあたり、まず私は既存の「求人詳細」画面にあった会社情報に着目しました。今回の画面でも同様の表示が必要だったため、求人詳細にあった会社情報を共通コンポーネントへリファクタリングし、再利用できる形で実装を進めました。2週間の期間全体で計6件のPull Requestを作成・マージしましたが、その足がかりとなる実装でした。

Pull Requestを作成した際、メンターの方から「なんでこれは共通化したの?」と質問を受けました。単に「同じ見た目だから共通化した」だけではなく、設計上の意図や共通化する明確な理由(Why)を説明することの重要性を、この問いかけを通して強く実感しました。また、他の方のコードレビューにも参加したことで、モジュール間の依存関係や設計上の配慮といった新しい視点を得ることもできました。

3-2. 0件ページの開発と「Why」の探求

後半では、検索条件に該当する求人が0件だった際に、その企業の「その他の求人」を表示する0件ページの開発を担当しました。

実装を始めるにあたり、最初に提示されたFigmaのデザインでは、通常の検索結果と同じ「情報量が多くサイズの大きい求人カード」が配置されていました。これを見た際、私は「なぜこの画面に、これほど情報量の多い大きなカードが必要なのだろう?」と疑問を持ちました。

社員の方に背景を確認したところ、「検索条件に合う求人がなくても、その企業自体には他の求人があることをユーザーに知らせ、応募数を増やすため」という目的(KPIツリー上の位置づけ)を教えていただき、機能が存在する理由自体は理解できました。

しかし、「理由には納得できても、本当にこのカードサイズと情報量が必要なのか?」という懸念が残りました。

3-3. 思考・検証とPO・デザイナーへの改善提案

疑問を解決するため、ユーザーの思考プロセスと既存プロダクトの構成を比較・考察しました。

  1. ユーザー視点での検証:特定の条件で検索したユーザーにとって、条件から外れた「その他の求人」は補助的な情報です。過度な情報量や大きなカードを配置すると、画面が煩雑になり、ユーザーが必要な情報を把握しづらくなると考えました。また、応募数を増やす観点からも、巨大なカードである必要性はないと判断しました。 さらに、検索結果0件のページにおいて、検索結果ページとして必要な情報を分かりやすく届けるという観点からも、改善の余地があると考えました。
  2. プロダクト内の統一感の検討:既存の求人一覧画面を観察したところ、下部に配置されている「おすすめ求人」には、コンパクトで主張しすぎない小さなカードが使われていました。これに統一した方が、デザインの一貫性も保てると気づきました。

自分の中で仮説と代替案を整理した上で、デザイナーやプロダクトオーナーへ提案を行いました。元々提示されていたデザイン案は「288 × 458.05 px」という大きな求人カードでしたが、「348 × 176 px」のコンパクトな求人カードへ変更することで、画面全体の視認性を保ちつつ、ユーザーにとって適切な情報量に抑えられるのではないかと問いかけました。

議論の結果、「確かにその情報量は不要で、小さなカードへ変更した方が良い」と賛同を得ることができ、自分が提案した「348 × 176 px」のUIへ変更・実装することが決まりました。

3-4. CTO・執行役員との対話で得た「事業とAI・ユーザーファースト」の視点

開発業務を進める中で視野を広げたいと考え、自ら希望してCTOの長島さんや執行役員の進藤さんとの1on1を実施していただきました。

3-4-1. バイトルが目指す未来とAIの活用(CTO 長島さんとの1on1)

長島さんへ「バイトルって今後どうなっていくんですか?」と直接問いかけた際、以下の具体的な構想を伺いました。

  • 1つのプロダクトへの統合:サービスごとに分かれていたユーザーIDを一元化し、他プロダクトとの連携をスムーズにする「1つのバイトル」への統合。
  • 構造化しにくい条件のAI活用:「平日の9〜13時しか働けない」といった個別条件や「店長との相性」など、従来の検索条件では難しかった要素をAIが解釈してマッチングする仕組み。
  • 体験の拡張とサイクル化:「応募」にとどまらず「面接・合格・シフト管理」までバイトルトーク等で一貫サポート。離職時も状況を把握し、LINE連携等を通じてAIが次の適切な提案を行えるサイクルを目指す。

3-4-2. ディップの事業構造と「ユーザーファースト」の判断軸(執行役員 進藤さんとの1on1)

進藤さんからはディップの事業モデルを深く学びました。営業が現場に入り込み採用やDX支援まで行う「直販型」の強みや、コボット等による業務自動化で店舗の負担を減らす姿勢について伺いました。また「迷ったらユーザーファースト」という判断軸を聞き、自分が0件ページでユーザー視点を重視して提案した行動も、この姿勢に合致していたのだと再確認できました。

4. 気づき・学び

今回の経験で得た最も大きな学びは、「なぜ作るのか(Why)」を理解した上で、目的を確認し、仕様や画面を深く検討し、自ら問いを立てることの重要性です。

前半の共通コンポーネント化でメンターから「なぜ共通化したのか」を問われた経験、そして後半の0件ページで「なぜこのカードサイズなのか」と疑問を持った体験を通して、実装者であっても理由や意図(Why)を意識し続けることの大切さを学びました。指示された仕様通りにコードを書くだけではなく、「誰のための機能か」「プロダクトの目的に対して最適な形か」を問い直したことで、より良いユーザー体験に繋がる改善提案ができました。

一方で、デイリースクラムやPOへの提案時に変更理由を説明する際、自分の考えを簡潔に伝えきれない難しさも実感しました。

この「伝えること・言語化の課題」についてCTOの長島さんに相談したところ、「それはロジカルライティングなどのトレーニングで伸ばせるよ」というアドバイスをいただきました。社内で言語化能力が高いと感じていたDevRelの田中さんも、実は日々のトレーニングを積み重ねてそうなったのだと聞き、「言語化力は意識的なトレーニングによって伸ばせるものなのだ」と勇気と明確な指針を得ることができました。

5. 目標に対する結果

インターン開始時に掲げた「誰のためになって、なぜ実装するのかを考えて進める」という目標について、計6件のPR作成などの実際の開発プロセスを通じて実践し、一歩近づくことができました。

単なる「タスクの消化」にとどまらず、共通化の意図整理やKPIツリー・プロダクト目的の理解、そしてユーザー視点とプロダクト全体の整合性を考慮した提案までやり切ることができました。また、自分から役員の方々に1on1を申し込んで事業構造や「ユーザーファースト」の判断軸を学んだことで、自分が実装する意図をより高い視座で捉えられるようになりました。

「チームへ分かりやすく伝える説明力」には課題が見つかったものの、長島さんからのアドバイスを経て、今後伸ばすべき力と、そのための具体的な指針を得ることができました。

6. おわりに

2週間という短期間ではありましたが、実際のプロダクト開発に参加し、学校や個人開発だけでは決して得られない貴重な経験をさせていただきました。

共に駆け抜けたインターン生の仲間、疑問に対して親身に向き合い挑戦を後押ししてくださった社員・メンターの皆様、そして事業やエンジニアリングの本質的な問いを通して「言語化の重要性」や広い視座を教えてくださったCTO・役員・メンターの皆様に心から感謝いたします。

今後は、曖昧な部分をうやむやにせず「なぜ作るのか」を追求する姿勢を持ち続けるとともに、ロジカルライティングなどのトレーニングを重ね、自分の考えをより明確かつ分かりやすくチームへ伝えられるエンジニアを目指して成長していきます。

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